2020
Aug
14
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【株雑記】「賢明なる投資家」のレビュー~第8章(重要)~
今日は「賢明なる投資家」の第8章を読んだ感想と備忘録。
第8章 投資家と株式市場の変動
第8章は株式市場での変動に対し投資家がどのように向き合っていくべきか、について書かれています。
まず第一に思ったことは、第1章から第8章の中で最も重要なことが書かれているのがこの第8章だろう、ということです。
この章のまとめで次のことが書かれています。
「投資家と投機家の最も現実的な相違は、その人が市場変動に対してどのような態度で臨むかという点である。投機家の最大の関心事は、株価の変動を予測してそれによって利益を得ることであり、投資家の最大の関心は、適切な証券を適切な価格で取得し保有することにある。」
おそらくこれがグレアムさんの言いたい投資哲学であり、この章のいたるところでこの考えが登場しています。もう一言付け加えると、これは決して「株価が安値になるまで待ち続けろ」、ということではなく、むしろそういうことをすると機会損失を招くので、「抜け目ない投資をしたければ割安優良大企業を探せ」と言っています。
さらなるメッセージとして
「株価が大幅に上昇したすぐ後には絶対に株を買ってはならない。また、大幅に下落したすぐ後には絶対に売ってはならない」
と忠告されています。
コロナショックで2月後半から3月中旬にかけて世界的に株価が暴落しましたが、私はそのとき「自分の買い根拠が崩れたわけではないから様子見て買い増ししよう」と腹を括って臨み、結果として暴落による損失を2か月後にプラスにして取り返せました。図らずも、グレアムさんの忠告の正しさを身をもって知っていたわけですね。
他にもいくつかの節に分かれて、さまざまなことが書かれていますので、少し私の言葉でまとめてみます。(本文にそのまま次のことが書かれているわけではありません。)
- 株価変動から利益を得るために考えられる方法は、タイミング手法(上げ相場で買い、下げ相場で売る)とプライシング手法(本来の価値以下で買い、実質価値以上になったら売る)の2つがある。タイミング手法は投機家のすることであり、賢明なる投資家ならばプライシング手法によって満足のいく結果を出せるだろう。(プライシング手法こそまさにバリュー投資のことでしょう。)
- 「安い時に買って、高い時に売る」というのは一見すると利益が上がりそうであり、事実、その手法で利益を上げることができた時期もあった。しかし、そのときに使われた「安い、高い」のシグナルが将来にわたって機能する保証はどこにもなく、実際、かつて役立ったシグナルが役に立たなくなったということがあった。
- 「フォーミュラー・プラン」「ダウ理論」「セントラルバリュー方式」など原理が簡単で多くの人が追随し得るものは、それがどんなものであれ、単純かつ安易すぎるため(一時的に成功しても)長続きしない。「卓越したものというのはすべて、稀有であると同時に困難なものであるby スピノザ」
- 真の投資家にとって、株価変動の持つ重大な意味は一つしかない。相場が急落すれば株を買い付け、急騰すれば売る。それ以外の時は株式市場のことなど忘れ、受け取る配当金と企業業績に注意を注いでいた方が良い結果につながるものなのである。
「バビロン大富豪の教え」という作品の中で、主人公は大富豪の教えを言葉では理解できていたのに、実際の場面でその言葉を活用できず大損してしまいます。
私も、グレアムさんの言葉を言葉としてだけでなく、実体験として自分の投資理論に組み込んでいけたらいいな、と思います。
第8章は非常に学ぶことが多い章だったので、後でもう一度読み直します!
また次回!
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